ABA 家庭療育 小学二年「やめて!」と言えない息子がとった冷静な行動

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ABA(Applied Behavior Analysis 応用行動分析学)を自宅で実践した記録です。
息子のユウが4才のときに【自閉症スペクトラム】と診断され、そこからABAの療育が始まりました。
いろんな方法を試しながら息子に合ったトレーニングを模索する毎日です。得意なことはどんどん伸ばしていきたいし、苦手なことはしっかりサポートしていきたい。こだわりの強い息子と過ごす日常やトレーニング内容を書いていきます。

年長からスイミングを習っている息子。週に一回、水曜日のみのレッスンです。

息子がいるクラスには男女あわせて12人くらいいるんだけど、このなかにちょっと(?)乱暴なAくんがいます。

このAくん、レッスン中にビート板をふりまわしたり、周りの子に水をかけてふざけるんです。
私はいつも二階の観客席でレッスンを見学してるんだけど、よく先生に注意されてる光景を目にします。

かなり息子は迷惑そうにしてるんだけど、みんながみんなAくんの行動をイヤがってるわけじゃないんだよね。いっしょになって楽しむ子も何人かはいるんです。

そのうち息子と何かしらのトラブルがあるかも・・・なんて思ってたら不安は的中。Aくんが息子にちょっかいをだしはじめました。

息子に向かってAくんはビート板をふり回します。当たらないようにガードする息子。

悪ふざけがすぎるとコーチも注意してくれますが、他の生徒を指導してる最中はなかなか目が届きません。そのため気にはなるもののタイミングよく注意することができないようすです。

先に泳ぐAくんにつづいて息子が泳ぎはじめました。Aくんが息子のほうをチラッ。

Aくんの泳ぐスピードが遅いなと思ってたら、なんと息子との距離をはかってたんです。

二人の距離が近くなった瞬間、激しくバタ足をするAくん。息子にめっちゃ水かかってるやん!!

明らかに息子はイヤがってるのに、それを見て楽しそうに笑ってます。

観客席にAくんの親らしき人はいないかと見回してみたけど、それらしき人は見あたりませんでした。

イヤがる息子の反応が面白いのか、練習後のフリータイムでも息子にちょっかいをかけるAくん。

向こうは遊びの一環でやってるんだろうけど息子はいい迷惑です。

ふり回したビート板で息子がケガをするかもしれないので、今回の件をスタッフの人たちに報告しました。

謝罪をいただき、今後より一層の注意をはらって指導していくとのことです。

その日の晩、息子がスイミングに行きたくないと言いだしました。

話をきいてみると、Aくんにちょっかいだされるのがすごくイヤなんだって。そりゃそうだよね。

そんなAくんに息子は「やめて!」と、ひとことも言わなかったみたいです。・・・というよりは『言えなかった。』のかな?

なぜ言わなかったのか理由を訊いてみると「そんなことを言ってもいいのかな?」と疑問に思ったらしいです。

「やめてと言ってもいいんだよ。あなたが気をつかわなくてもいい。あなたは悪くないんだから。」

でも息子の性格を考えたら「やめて!」を言うこと自体が難しいよね。
気が優しいというか弱いというか・・・。本人も相手にちゃんと伝える自信がないみたい。

今回の件はコーチに報告したことを伝えると、ホッとした表情を見せます。
心づよくなったのか、またスイミングに行こうという気持ちになってくれました。

正直、練習時間や曜日の変更はやろうと思えばできるんです。
でも変更したところで、また同じようなことがあるかもしれない。

根本的な解決にはならないと判断したので、このまま様子を見ていくことにしました。

さて、息子の反応を見て楽しむAくん。これって悪い強化につながってます。

じゃあ今回みたいなことがあったらどうするか。息子と話し合いました。

●イヤなことをされたら「やめて!」と言う。やめてくれなかったらすぐコーチに話す。

●Aくんの近くに行かない。

この二つを頭に入れてスイミングに挑みます。

「もうすぐスイミングか・・・。」「もうすぐスイミングあるんだよね。」「明日はスイミングか・・・。」と毎日つぶやく息子。行く気にはなってるものの憂鬱になるよね。

そのたびに「コーチに話してるから大丈夫。気になることがあればコーチやお母さんに教えてね。ちゃんとあなたを見てるから安心して。」と、言い続けました。

さていよいよ練習日。ハラハラしながら観客席で見学しました。

息子はいつもAくんのすぐ後ろか(この時は直接的なトラブルがなかった)、あいだに一人はさんで並びます。

だけど今回はAくんの後ろに三人ほど並んだのを見届けてから息子が並びました。

いつもの調子でビート板をふりまわして他の子とふざけるAくん。

でもちゃんとコーチが(他のコーチも含め)注意と指導をしてくれました。以前にも増して全体を見てくれているのがよくわかります。

練習がすすむにつれて、Aくんの後ろに並ばなくてはいけないことが何回かありました。

他の子がトイレに行ったりとか、ゆっくりめに泳ぐ子がいたりとか、そんなこんなで最初の順番どおりにいかなくなるんです。

息子の前を泳ぐAくん。後ろから息子が泳いでくるタイミングをみはからってバタ足を強くしました。

すると息子はその場で立ち止まり、Aくんとの距離をめいっぱいあけてから泳ぎだしたんです。

そしてまたAくんとの距離が近くなったら立ち止まり、ある程度の間隔があいたらまた泳ぎはじめます。

この方法なら水をかけられることもなく練習できるし、イヤな思いをしなくてすむよね。

フリータイムのときはAくんから出来るだけ離れた場所であそんだり、向こうが近づいてくると知らんふりしてプールサイドにあがります。

相手に「NO」と言うのが苦手だけど、それをしなくても済むような方法を自分で見つけました。とってもいい判断だったと思います。

また問題があれば一緒に考えていこうね。

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