ABA 小学一年 こどもを褒めることは大切。でも褒めることで問題行動につながることもある

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ABA(Applied Behavior Analysis 応用行動分析学)を自宅で実践した記録です。息子が4才のときに【自閉症スペクトラム】と診断され、そこからABAの療育が始まりました。息子が得意なことはどんどん伸ばしたいし、苦手なことはしっかりサポートしていきたい。いろんな方法を試行錯誤しながら息子に合ったトレーニングを模索中です。そんなこだわりの強い息子との日常やトレーニング内容を書いていきます。

夏休みに個人面談があったんだけど話の内容で気になることがありました。

それは息子がトイレのスリッパを並べること。

自分が履いたスリッパだけじゃなくて、そのへんに散らばってるスリッパもきちんと並べてるそうです。

これだけなら感心できるいい話で済むんだけど、トイレのそばを通りかかったときにスリッパを並べることもあるんだって。えー、わざわざ!?

この間、息子と先生とでこんなやりとりがありました。

息子「先生にお楽しみがあるんだ。こっちに来て。」
先生「なんだろう。楽しみだな。」

先生が息子に案内された場所はトイレ。そこにはスリッパがピシッときれいに並べてあったそうです。先生はすごく感心してました。

息子がスリッパを並べてるのを見た他の先生や生徒からは、毎回「えらいね。」とか「ありがとう。」と褒めてくれるそうです。

これらに対して私は素直に喜ぶことができません。もっと他の生徒が脱ぎ散らかさないように指導してくれたらいいのに・・・と思ってしまうんです。

たぶん息子は気になるからじゃなくて、これをすれば褒めてくれるし喜んでもらえるっていうのを分かってやってると思う。こんなふうに考えてしまう私は心がすさんでるのかしら(汗)?そんなことを思いつつその日は何も言わずに帰りました。

ある日、家族で温泉に行ったときのこと。トイレに行った旦那さんと息子が戻ってきました。

満足気にニコニコする息子に対し、旦那さんはまいったな~というような困り顔。
どうしたのか訊いてみると、息子が温泉にあるトイレのスリッパをぜんぶ並べていたそうなんです。マジか!?

さすがにいくらなんでもそれはやりすぎやろ。衛生面もよくないし、誰がはいたかわからないスリッパをさわるなんてありえない。

さらに「ぼく、スリッパ並べたよ。ありがとうは?」とお礼を要求されたそうです。

いやいや、誰も頼んでないし、息子が勝手に自己満足でしたことじゃん。自分がやりたくてやったことなのにお礼の言葉を求めるなんて・・・。そりゃ旦那さんも困るわ。

学校のトイレはまだ許せるんです。息子がお世話になってる学校だし、その学校のトイレだし。だけど他の場所でトイレのスリッパを並べるのは勘弁してほしい!!

これ、学校のスリッパつながりで悪い強化になってんじゃない?
どうしようかな。対策が難しい。

今はコロナ禍なので『コロナが流行ってるから、自分がはいたスリッパだけそろえよう。』と伝えました。この理由なら納得できるみたいです。

そして気になることがもうひとつ。

それは温泉のトイレで「ぼく、スリッパ並べたよ。ありがとうは?」という発言です。

頼んでいないことでも『してあげる』ことで『感謝される』と思い込んでる息子。
最近こんな感じです。

「(トイレの)電気をつけてあげる。」
「カバン持ってあげる。」
「お母さんの髪を洗ってあげる。」などなど・・・。

お風呂からあがったらお茶を用意してくれたこともありました。やりすぎ!!

こんなときは(頼んでないときや望んでないとき)「ありがとう。自分でするから大丈夫。手伝ってほしいときは言うね。」と、息子の気持ちを一旦受け入れてから断ります。

息子は不満たっぷりといったような顔。きっと学校でも『してあげる発言』やってんだろうな。

先生たちは息子が喜ぶような反応をしてくれてたんだと思う。

家では『してあげる発言』を断られるし、褒めてもらえなければ感謝もしてもらえない。これ、息子はつまんないですよね。だったら本当に感謝されるほうがよくない?

だから私のほうから息子にお手伝いをお願いするようにしました。

「お米炊いてくれたら嬉しい。」「洗濯物をたたんでくれたら助かる。」「お皿だしてもらえるかな。」などなど。

そして手伝ってくれたらめちゃくちゃ褒める!!
お願いしたことをやってくれるので純粋に褒めることができるし、本当に助かるんです。

だいぶ『してあげる』からこっちにシフトできたけど、はじめは大変だったー!!

夏休みは10日間あったんだけどコロナ禍で外出できないし、家だと一日中『してあげる』のくり返し。イライラして上手く対応できないこともありました。

そんなときはおなか痛いふりしてトイレでネットサーフィンしたり、車の忘れ物をとりにいくふりして車内でボーッとしたり・・・。ひとりになれる場所がなかったので、そんなふうにして気持ちをおちつかせていました。

これらの対応を始めてから約一週間。『してあげる発言』がちょっとだけ減りました。一日10回あったとしたら今は7~8回くらい。まだまだ先は長いなぁ・・・。

学校での対応が変わらなければ元の状態に戻ってしまうので、今回のことを先生に伝える必要がありました。

【学校にお願いしたこと】

●スリッパを並べる姿を見てもオーバーに褒めない。
さすがにスルーするわけにはいかないので、軽くながすような「ありがとう~。」でOK。

●頼んでいないことは軽い「ありがとう。」でOK。

●ありがた迷惑のときは、軽いお礼と説明、そして提案が必要。

例えば、次の授業に使おうと用意した道具を息子がもとの場所にもどしてしまったとします。
「ありがとう。でもあの道具は使うから置いてたんだ。次は先生に訊いてくれると嬉しい。」というふうに伝えれば(不満気な顔はするが)納得しやすいです。

今回は学校での強化子(褒め言葉やお礼)が多いから簡単にはいかないかもしれません。

家でも続けながら気長にようすを見ていきます。

小学一年 八月

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