ABA(Applied Behavior Analysis 応用行動分析学)を自宅で実践した記録です。息子が4才のときに【自閉症スペクトラム】と診断され、そこからABAの療育が始まりました。息子が得意なことはどんどん伸ばしていきたいし、苦手なことはしっかりサポートしていきたい。いろんな方法を試行錯誤しながら息子に合うトレーニングを模索中。そんな息子とのトレーニング内容を記録していきたいと思います。
息子は1~30までの数字を順番に言うことができます。だけど言った数字がどんなものなのかは知りません。今回は数字のかたちを教えていきたいと思います。
【用意するもの】 1~10までの数字カード
今回は指を使って文字をなぞるのでラミネートしたカード(白の画用紙に赤いペンで数字を書いたもの)を使いました。
【1】数字と読みかたを覚える
まずは1と2の数字カードを横に並べて読みかたを教えていきます。
①1のカードを指さして「いち」と伝えたら、今度は息子が「いち」と言います。
②次に2のカードを指さして「に」と伝えたら、今度は息子が「に」と言います。
これをそれぞれ三回ずつくり返します。
【2】質問に答える
①1のカードを指さして「これは?」と質問します。正解したら褒める。答えに詰まったり間違えたらすかさず答えを教えます。
②次に2のカードを指さして「これは?」と質問します。正解したら褒める。答えに詰まったり間違えたらすかさず答えを教えてます。
それぞれ二回ずつくり返し。この時点で間違っていたら【1】に戻ってもう一度練習します。
③カードを左右入れ替えて質問します。
【3】カードを選ぶ
①「1、どれ?」と質問して息子にカードを選んでもらいます。そのあとカードを左右入れ替えて「1、どれ?」と同じ質問をします。
②「2、どれ?」と質問して息子にカードを選んでもらいます。そのあとカードを左右入れ替えて「2、どれ?」と質問します。
【4】指でなぞる
数字のかたちを覚えたら今度はどんなかたちをしているのか確かめます。
机に1と2のカードを並べてカードの数字をなぞっていきます。ラミネートしてるから指が汚れないし数字がにじむこともありません。
①息子のきき手(右手)にわたしの手を添える。
②1「い~ち」、2「に~い」、一緒に数字を言いながらゆっくりなぞっていきます。交互に2回くり返したら今度はひとりでやってもらいます。
この段階では文字はなぞるだけ。数字のかたちを知ってほしかったので書くことに重点をおいていません。
【5】3のカードを追加する
①新しい3のカードを使います。まずは3だけを【1】と【2】のやり方で教えていきます。
②1と2と3のカードを机に並べて「3、どれ?」と質問します。そしてカードを適当に入れ替えてもう一度「3、どれ?」と訊く。このあとに復習も兼ねて1と2も一緒に質問する。それから数字を指でなぞっていきます。
1・2・3の数字をしっかりマスターしてからひとつずつ数を増やしていきます。
10をマスターするまで時間はかかるけどスモールステップでじっくり取り組んでいきました。
【トレーニングをするうえでの注意事項】
〇主導権は私(ママ)
トレーニングの最中に関係ないことを喋りだしたりしてもそれに答えない。ちょっかいだしにきてもスルーを徹底しました。反応するとそれが強化につながって主導権を握れなくなります。
〇集中できる環境をつくる
気が散りそうなもの(おもちゃなど)は片付けて、時計やテレビも息子の視界に入らないようにしました。
〇否定しない、怒らない
トレーニング中は失敗したり間違ったりしても怒ったり否定しないようにします。
はじめの頃は意識していても「違う。」「そうじゃない。」「間違ってるよ。」と言ってしまうことがよくありました。
息子のモチベーションや自己肯定感が下がってしまうのはわかってたんだけど、思うようにトレーニングが進まない焦りや苛立ちがあったんです。
もちろんそうじゃないときもあるけど、完璧に怒ったり否定しないようにするのは無理でした。それでも一緒にトレーニングを続けてくれた息子に感謝です。