ABA(Applied Behavior Analysis 応用行動分析学)を自宅で実践した記録です。
息子のユウが4才のときに[自閉症スペクトラム]と診断され、そこからABAの療育が始まりました。
いろんな方法を試しながら息子に合ったトレーニングを模索する毎日です。得意なことはどんどん伸ばしていきたいし、苦手なことはしっかりサポートしていきたい。こだわりの強い息子と過ごす日常やトレーニング内容を書いていきます。
息子は男女の区別がつきません。私たち(パパ・ママ)をはじめ、友だちや担任の先生が男なのか女なのかが分からないんです。
多分こういうことってわざわざ教えなくても、いつのまにか認識してるものだよね?教える必要があるなんて思ってなかったし、そういうことを考えたこともなかった。
そういえば前からちょこちょこ私のことを『パパ』、夫のことを『ママ』と呼び間違えてる。これって男女の区別がついていないサインだったのかもしれない。
一週目・・・いっしょに住んでる家族(息子・パパ・ママ)の性別をしっかり覚えてもらいます。
【ステップ1】覚える
①息子の顔を両手で包んで目線を合わせたら『今からママが言うことをマネしてね』と伝える。これをすると息子が落ち着いて話を聞いてくれました。
②息子の手に触れながら『ユウ(息子の名前)は男の子』と伝えて復唱させます。これを交互に3回くり返して、息子自身が男の子だということをしっかり認識してもらいます。
③次は『ママは女の子』と伝えて息子に復唱させる。これを交互に3回くりかえす。
舌ったらずだけど頑張って復唱してる息子が可愛い。
【ステップ2】リズムをとる
①息子を指さしながら、ママ『ユウ(息子の名前)は男の子、はい!』、息子『ユウ(息子の名前)は男の子!』。このやりとりを3回くりかえす。
②ママを指さしながら、ママ『ママは女の子、はい!』、息子『ママは女の子!』。このやり取りを3回くりかえす。
リズムをとりながらのトレーニングなのでめっちゃ楽しい。息子も笑顔でとりくんでました。
【ステップ3】質問する
①息子の顔を両手で包んで目線を合わせたら『今からユウ(息子の名前)に訊くね。』と伝えます。
②『ユウ(息子の名前)は男の子、ママは?』とか『ママは女の子、ユウ(息子の名前)は?』と問いかける。
正解だったら褒めて、間違えたり答えに詰まってるようなら小声で答えを教えます。そのあと正しい答えを言ってもらえばOK。
③息子とママの性別をカンペキに覚えたら、今度はパパの性別です。【ステップ1~ステップ3】に沿ってしっかり教えていきます。
このトレーニングを1週間くらい続けた頃には、それぞれの性別が(息子&ママ&パパ)答えられるようになりました。
二週目・・・おじいちゃんとおばあちゃんの性別を覚えていきます。
【ステップ1】写真を使う
父方のおじいちゃん&おばあちゃん、母方のおじいちゃん&おばあちゃんがいます。
2人1組で教えたほうが分かりやすいかなと思ったので、まずは父方のほうから教えていきました。それぞれ2人でうつってる写真を使ってトレーニング。
①息子の顔を両手で包んで目線を合わせたら『今からママが言うことをマネしてね』と伝える。
②蓋をしたままのマーカーペンで人物(おじいちゃん、もしくはおばあちゃん)を指します。
ママ『おじいちゃんは男の子』、息子が復唱。
ママ『おばあちゃんは女の子』、息子が復唱。これを3回ずつ繰り返します。
【ステップ2】リズムをとる
蓋をしたままのマーカーペンで人物(おじいちゃん、もしくはおばあちゃん)を指しながらリズムをとります。
ママ『おじいちゃんは男の子、はい!』、息子『おじいちゃんは男の子』。
ママ『おばあちゃんは女の子、はい!』、息子『おばあちゃんは女の子』。
このやりとりを、それぞれ3回ずつ繰り返します。
【ステップ3】質問する
①息子の顔を両手で包んで目線を合わせたら『今からユウ(息子の名前)に訊くね。』と伝えます。
②蓋をしたままのマーカーペンで人物(おじいちゃん、もしくはおばあちゃん)を指しながら、ママ『おばあちゃんは女の子。おじいちゃんは?』とか『おじいちゃんは男の子。おばあちゃんは?』というふうに質問していきます。
正解なら褒める。間違えたり答えに詰まってるようなら小声で答えを教えます。そのあと正しい答えを言ってもらえばOK。
父方のおじいちゃん&おばあちゃんの性別をカンペキに覚えたら、次は母方のおじいちゃん&おばあちゃんです。二週目の【ステップ1~ステップ3】に沿ってしっかり教えていきます。
はじめは写真とマーカーペンを使うことにとまどっていた息子。だけど、一週目と二週目のやりかたがほとんど変わっていないので、比較的スムーズにトレーニングができました。
三週目・・・最終チェック!!ちゃんと覚えてるか確認します。
まずは教えた順番に質問していきます。(息子・ママ・パパ・父方のおじいちゃん&おばあちゃん・母方のおじいちゃん&おばあちゃん)
①『ユウ(息子の名前)は男の子?女の子?』とか『ママは男の子?女の子?』というふうに訊いていきました。
②ランダムに質問する。
息子・ママ・パパに関してはバッチリです。誰がママなのかパパなのかもしっかり分かっていました。
おじいちゃん&おばあちゃんに関しては、ちょっとややこしかったみたい。
写真を見つめたまま考え込んでたけど、答えはバッチリ合ってたよ。すごいすごい!!
日常生活ではふとしたときに『ユウ(息子の名前)は男の子、ママは女の子』とか『ユウは男の子、パパも男の子』、『ユウは男の子、おじいちゃんも男の子』と息子に向かって声をかけるようにしていました。
一緒にテレビを観てるときや、そばで洗濯物をたたんでるとき、スキンシップを楽しんでるとき・・・などなど。本当にふとしたときです。
トレーニングじゃないのでスルーされても気にしません(笑)。気が向けば反応して笑顔でマネしてくれます。
たまに息子から『ユウは男の子、ママは?』と質問されることもありました。
トレーニングの効果
はじめは質問の意味が分からなくて、戸惑ったり答えに詰まってしまうことがいっぱいありました。それでも少しずつ理解できるようになったね。いまでは私のことを『ママ』、夫のことを『パパ』と呼びかけてくれるようになりました!
ただ、きちんと理解しているわけじゃありません。私たちの性別を記憶しただけです。
それでも、ここまでできるようになったのは息子が頑張ってくれたから!!やったことがしっかりと結果に繋がってます。これでもう園の先生に『男の子、あつまれ~』と集合かかっても大丈夫だね。
こういったトレーニングを積み重ねていけば、そのうち男の子と女の子を認識できるようになるんじゃないかな?少しずつ覚える人数を増やして、またトレーニングしていこうと思います。