ABA(Applied Behavior Analysis 応用行動分析学)を自宅で実践した記録です。
息子のユウが4才のときに【自閉症スペクトラム】と診断され、そこからABAの療育が始まりました。
いろんな方法を試しながら息子に合ったトレーニングを模索する毎日です。得意なことはどんどん伸ばしていきたいし、苦手なことはしっかりサポートしていきたい。こだわりの強い息子と過ごす日常やトレーニング内容を書いていきます。
ある日、私の用事で息子と眼科にやってきました。
キョロキョロと物めずらしそうに院内を見回す息子。そんな我が子をみつめながら、ふと、いつも園でどんなふうに視力検査をうけているのか気になったんです。
そういえば視力検査のやりかたなんて教えたことないし、そもそも『上・下・右・左』の方向だってまだ教えてない!!園からはそれに関して何も言われたことないし、うまく検査してくれてるんだろうと思います。
だけど、息子が何かしら目の調子が悪くなったとき、眼科でちゃんと検査できるかな?
そのへんが心配なので練習していこう。
まずはどこまでわかっているかチェック。
黒のマジックで大きく『C』と書いた厚紙を見せて、「穴があいてるのはどこ?」と訊きます。穴が欠けてる部分じゃなくて中央をタッチする息子。う~ん・・・、どうしたらいいのか。質問の仕方が悪いよね、これ。
気を取り直して質問を変えてみました。
「黒の線がとぎれてるのはどこ?」「切れてるのはどこ?」など。質問が難しのか息子は全く答えられません。私もうまく教えてあげられないのでモチベーションだだ下がりです。
そんななか、この方法なら上手くいきました!!
【1】動物消しゴムを使ったトレーニング
ランドルト環の切れてる部分を出口に見たてます。
[用意するもの]
〇ランドルト環を書いた厚紙(チェックしたときに使ったやつ)
〇100均の動物消しゴム (キリン・ゾウ・ブタの3点セットで売ってたものをダイソーで購入)
①息子と向かい合わせに座る。左手に『C』、右手にキリンの消しゴムを持って『C』の中央に添えます。
「このキリンさん、今からお部屋をでるよ」と息子に伝えて、キリンさんをランドルト環からスーッと出していきます。そして「キリンさん、お部屋から出たね」と言います。
『C』の向きを上下左右にを変えながら、その都度キリンさんをお部屋から出してあげます。これで穴=出口と認識してくれました。
②動物消しゴムを使ったトレーニングに慣れてきたら、今度は息子の人差し指を使っていきます。
『C 』の中に息子の人差し指を添えます。ママ「出口はどこ?」と訊くと、息子「ここ~」と言いながら指をスーッと移動して穴をぬけました。うん、いい感じ!!
『C 』の向きを上下左右に変えながら何回か繰り返します。
【2】近視トレーニング
壁の前に立ってもらいます。そして「そこでジッとしてね」と伝えてから、1mほど離れます。
息子に『C』を見せて「出口はどこ?」と訊くと、空中で方向を大きく指さしながら「ここ~」と答えました。よっしゃ、大正解!!
この時は「こっち、あっち」の方向を示すような言葉は言えなかったけど、穴の向きはしっかり理解してます。1mずつ距離をとって、最後は5mくらいまで離れました。
【3】視力検査ごっこ
簡易視力検査票をつかっての実践トレーニングです。息子が「これ、知ってる~!!」とノリノリ。
たくさん『C』がならんでるので、どれを訊かれているのか分かりにくいみたい。カラーペン(キャップが赤いもの)を『C』にあてると分かりやすかったようです。めっちゃ楽しそうに取り組んでくれました。
トレーニングの効果
トレーニングでは「出口はどこ?」から「穴はどこ?」と言いかえたり、「なんだかこれ、ドーナツみたいだね。キリンさんに食べられたのはどこ?」と訊いてみたり。とにかく色んな訊きかたをして練習しました。
はじめは質問の意味が分からなくて答えられなかった息子だけど、いまではもうバッチリです!!
実際、園での視力検査がどんな風に行われているのかは分かりません。そして先生に訊こうとしなかった自分に反省・・・。そういう情報を仕入れておくとトレーニングも的をしぼりやすいのにね。
正確に視力検査をするためにも園まかせにしないで、しっかりランドルト環に慣れておくほうがいいと思いました。もっと早くやっておけばよかった~と同時に、今やっておいて良かった~とも思っています。