ABA 家庭療育 年少 筆圧を強くするには塗りつぶしが効果的!?

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ABA(Applied Behavior Analysis 応用行動分析学)を自宅で実践した記録です。
息子のユウが4才のときに【自閉症スペクトラム】と診断され、そこからABAの療育が始まりました。
いろんな方法を試しながら息子に合ったトレーニングを模索する毎日です。得意なことはどんどん伸ばしていきたいし、苦手なことはしっかりサポートしていきたい。こだわりの強い息子と過ごす日常やトレーニング内容を書いていきます。

ある日、息子が園で描いた絵を持ち帰ってきました。クレヨンでグルグルと描かれた絵。上手に描けてるので素直に褒めたんだけど、なぜか息子は否定します。しかもかたくなに。
気になったので担任の先生に訊いてみると「ユウくん(息子)は、お絵かきが大好きです。だけど最近『できない・・・』と言うことが増えました」とのこと。いったいなにができないんだろう?

家でのお絵かき中、息子を注意深く観察してみました。絵を描きながらなにやらブツブツと文句を言っています。その文句とは「できない」や「描けない」でした。『できない、描けない=色がでない』、なるほど。ユウは筆圧が弱いんだね。

園で指定されてるクレヨンや色えんぴつ、家にある他メーカーのクレヨンや色えんぴつ。どれを使っても筆圧が弱いため、息子が思うような色はでません。それと同時に手が汚れるのを嫌うので、あまりクレヨンが好きじゃありません。たしかにクレヨンが手についたら不快だもんね。わかるわかる。
だから息子はクレヨンのおしりをそっと持つんです。手が汚れるので絶対に握りません。クレヨンを指で軽くはさみ、寝かせた状態にして絵を描きます。まるでデッサンしてるみたいな手つき。

絵を描くことは好きなので、筆圧さえ強くなれば今よりもっと楽しめるよね。なにかいい方法がないか考えてみました。まずは本人に合うアイテムを探すことからだね。息子はどんなペンが好きなのかな?

【1】アイテムさがし
〇クーピー
さわり心地も握った感じも嫌いです。全拒否。

〇三色ボールペン(黒・赤・青)
しっかりボールペンを握ってお絵かき。クーピーに比べるとなかなかいい反応です。グルグルと線を描いたり、横や縦に線を描いてはその線を何回も往復させたり・・・。だけどくいつきはイマイチだね。

〇サインペンや油性マーカー(マジック)
サインペンはペン先が太いから描きやすそうです。いちばん気に入ってるのはマジックかな?特にマジックの青がお気に入りです。独特のにおいがあるけど、それはあんまり気にならないみたい。
ボールペンよりサインペン、サインペンよりマジックなんだね。筆圧が弱くてもインクが出るから描きやすいみたいです。

【2】自由に描く
お気に入りのアイテムが見つかったら、自由に好きな絵を描いていきます。
どんなペンの持ちかたをしても気にしません。とにかく息子の好きなようにやりたいように持たせていました。にぎって描くこともあれば掴むように持つこともあります。画用紙いっぱいに線を描いたり、それを上から塗りつぶしたり・・・。

この頃は絵を描くというよりも塗りつぶすことが好きだったようです。しかも几帳面なのでめちゃくちゃ丁寧!!塗り残しがないようにしっかりと塗りつぶしていました。

【3】汚れてもOKな状態にする
ペン先を握ったままよそ見したり、その手で色んな物をさわったり、ペンを振り回したり・・・。マジックを使ってる以上、汚れるのは仕方ありません。だけど最小限におさえたいので、できる限りの対策をとりました。

〇テーブルの色うつり防止に新聞紙をしいておく
〇床にマジックを落とすのでブルーシートをしいておく
〇息子も私も汚れていい服を着る

ここまですれば、こころおきなく遊べます!!

テーブルにしいた新聞紙は捨てずに再利用しました。ビリビリに破って紙吹雪を作ったり、くしゃくしゃに丸めたものを投げ合いっこして遊びます。新聞紙を破ったり丸めたりするのって、指の動かし方や握る力にもつながりそうだね。なにより楽しい!!

【4】外でお絵かき
私たちが住んでるところは自然がいっぱい。サインペン&油性マーカーを持って近くの河原へ遊びに行きます。お目当ては河原にたくさん転がっている大きな石。マジックで石に好きな絵を描いたり、好きな色で塗りつぶしたり・・・。これがなかなか楽しくて夢中になるんだよね。
海に行けば浜辺で見つけた貝がらやシーグラスなんかに色を塗って遊びました。
手や服が汚れてえらいことになるけど、とにかく楽しく遊べればよし!!

手が汚れるのを極端に嫌っていた息子だけど、前よりは嫌がってない感じ。ちらちら手を見てるので多少は気になるようだけど、黙々と遊びつづけてます。マジックで石を塗りつぶすのが楽しいみたい。お気に入りだったオモチャのパトカーを塗りつぶして、青いパトカーにしていたこともありました。
そして石に角ばった『〇(まる)』らしきものを描くように・・・。あれってしっかりペンを握らないと描くのが難しいんだよね。
もしかしたら『塗り潰す』ということが『握る力』に繋がっているのかもしれない。

【5】アンパンマンのクレヨン
息子はアンパンマンが大好き。そんな息子に叔母さんが『アンパンマンのスラスラかけるクレヨン6色入り』をプレゼントしてくれました。
このクレヨンは太さがあるから握りやすいし、筆圧が弱くてもしっかり色がでる優れものです!!芯はくりだしタイプになってるので手が汚れにくい!!息子もおもいのほか気に入った様子です。
このクレヨンを使って、ぬりえにチャレンジしてくれました。イラストをフル無視して1ページまるまる同じ色で(息子は一色しか使わない)塗りつぶしていきます。ほとんど力をいれなかったのにスイスイ塗れました!!

それでもいちばんのお気に入りは、やっぱり青のマジックなんだよね(笑)。

トレーニングの効果

いつのまにか息子は自主的に絵を描くようになりました。ぬりえをするようになったり、メモ帳とボールペンがあったら線をかいたり・・・。ペンを握る力がついて筆圧が強くなったからか、自分に自信がついたようです。
そして園でも「できない」をあまり言わなくなりました。
息子には塗りつぶしがいちばん効果的だったみたいです。そして、年中になる頃にはお絵かきが大好きになってました。相変わらずクレヨンは苦手だけど、楽しく絵が描けるようになって本当に良かったです!!

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