ABA(Applied Behavior Analysis 応用行動分析学)を自宅で実践した記録です。
息子のユウが4才のときに【自閉症スペクトラム】と診断され、そこからABAの療育が始まりました。
いろんな方法を試しながら息子に合ったトレーニングを模索する毎日です。得意なことはどんどん伸ばしていきたいし、苦手なことはしっかりサポートしていきたい。こだわりの強い息子と過ごす日常やトレーニング内容を書いていきます。
わたしたちが住む地域は山や川がある静かな田舎町。夜はシカやイノシシ、昼間ならサルに出会えるのどかな場所です。
年少のときの話になりますが、このころ息子は園からバスで帰ってきました。そしていつも同じバス停で乗り降りする友だちと(Aちゃん)一緒に遊びながら家に帰るのが日課です。
その道のりには空き地があったり、空き家があったり、田畑があったり・・・。
道端には色んな植物がワサワサ生えていて、息子のお気に入りは帆がフサフサした猫じゃらしのような草。
この植物は『エノコログサ(別名、猫じゃらし)』っていうそうです。
それを長めに引っこ抜いてチャンバラごっこしたり、溝に垂らして魚釣りをするようにゴミをひっかけたり、道になにか落ちてたらそれでツンツンとつついたり。
他にもシロツメクサをつんで冠を作ったり、四つ葉のクローバーをさがしたり、タンポポの綿毛を吹いて種をとばしたりして、むかしからの草花あそびを楽しんでました。
生い茂る雑草にまぎれてコスモスやユリが咲いてることもあったのでつんで帰ることもしばしば。わたしが率先してれんげ畑から(畑には足を踏み入れず手が届く範囲で)数本つんだこともあります。
恥ずかしながら畑にさえ入らなければギリギリセーフみたいな考えがありました。
そんなわたしの姿を息子はしっかり見ているし、花を飾ることが好きなのも知っています。
ある日の帰り道、白くて小さな花が畑一面に咲いていました。植物に詳しいAちゃんママに訊くと蕎麦の花だそうです。
わたしが「あの白い花、かわいいね。」と言うと、息子がニコニコしながら「ママ、とってきてあげるね。」とつみにいこうとしました。気持ちは嬉しいけどストップストップ!!
わたしが止めた理由は『他人の畑で育ててる食べもの、そして商品だから。』です。
いやいや、育ててるものだろうとそうじゃなかろうと他人の土地にあるものを勝手にとっちゃいけないよね。
わたしを喜ばせるために純粋な気持ちで花をつもうとした息子はキョトン顏。
この時点でようやく息子に悪い行動を見せていたことに気づきました。
息子はわたしの行動をただマネしただけ。わたしの軽はずみな行動で物ごとの良し悪しを分からなくさせてしまったんです。
今後はうちの敷地内と道沿いにある雑草ならつんでもOKというルールにして、Aちゃんママに今回の経緯を報告。そしたらこのルールに乗っかってくれました。
おかげで息子から『Aちゃんはいいのに、なんで僕はダメなの?』みたいな状況にならなかったので、すごく有り難かったです。
この一件で子どもは親の行動をしっかり見てるんだと実感しました。
息子が小学生になった今、わたしが散歩やドライブ中に「あ、あの花きれい。部屋に飾りたいな~。」なんて言おうもんなら即座に注意されます。
「勝手にとっちゃだめだよ。他の人の物なんだからね!!」
そんなつもりで言ったんじゃないよ。ただの感想というかひとりごとなのよ。とらないよー!!